「家にいる時間も多いし、何か育ててみようかな」、「でも虫が湧いたら嫌だな…」
容器栽培とは、植物を土地に直接植える代わりに容器で育てる栽培方法の1つです。
魅力はなんといってもその手軽さ。
在宅時間が増えている昨今、人気を集めている趣味の1つです。
本記事では、容器栽培のメリットやデメリット、始め方やおすすめの野菜について詳しく解説します。
容器栽培に興味がある人は、ぜひ参考にしてみてください。
容器栽培のメリット・デメリット
容器栽培を始める前に把握しておきたい基礎知識と、メリット・デメリットについて詳しく解説します。
容器栽培とは?
容器栽培とは、プランターや鉢などの容器で野菜を栽培する方法です。
従来の畑での栽培方法と比べて、手軽に始められ、また少量のため品質を確保しやすいのが特徴です。
容器栽培は、狭いスペースでも始められるため、都心部のベランダや室内でも新鮮な野菜を栽培することができます。
主なメリット
容器栽培のメリットとして、以下が挙げられます。
- スペースの節約:
庭や畑がなくても、ベランダや室内など狭い場所で野菜を栽培することが可能 - 植物の移動が容易:
植物の成長に合わせて場所を移動させることができるため、太陽の当たり具合や気温に応じて、最適な場所で育てることができる - 管理が簡単:
鉢植えなどの容器に植え付けるため、畑のように雑草や害虫が入りにくく、管理がしやすい - 収穫が早い:
容器栽培は育成期間が短く、野菜の成長が早いため、早期に収穫することができる - 食品ロスの削減:
都度食べたい分だけを収穫できるため、食品ロスを削減できる
以上のように、容器栽培にはスペースや管理の利便性、収穫の早さなど様々なメリットがあります。
主なデメリット
容器栽培のデメリットとして、以下が挙げられます。
- 頻繁な水やり・肥料散布が必要:
土壌の量が少ないため、根が張りにくく、栄養分や水分を摂取できない傾向あり。そのため、頻繁に水やりや肥料を追加する必要がある。 - 1つの容器で複数の野菜を育てられない:
大きさの異なる野菜を一つの容器に植え付けた場合、根が絡み合って互いに成長を阻害することがありる。そのため、適切なサイズの容器を選ぶ、もしくは1つの容器に1種類の野菜を植えることが必要。
このようなデメリットはあるものの、家庭栽培をこれから始めたいという人にとってはそこまで大きな問題にはならないでしょう。
容器栽培のやり方
容器栽培に最適な環境や水やり・肥料のあげ方など、これから容器栽培を始める人に必要な基本知識を解説します。
容器栽培は思ったよりも簡単に始められるので、まずは基本をしっかりと学習しましょう。
育てる環境
容器栽培を成功させるためには、適切な場所と環境を整えることが重要です。
主なポイントは以下の通りです。
①日当たりの良い場所
野菜は日光で育ちます。
そのため、日当たりの良い場所を選び、毎日6時間以上の日照時間を確保しましょう。
夏場は直射日光が強すぎるため、逆に紫外線が害となることもあります。
必要に応じて、遮光ネットや日除けの対策も行いましょう。
②風通しの良い場所
容器を風が通る場所に設置することで、病気や害虫の発生を防ぐことができます。
また、風によって適度な湿度に保つこともできます。
③水はけの良い場所
容器を水はけが悪い場所に設置すると、水が溜まり、根腐れの原因になることがあります。
排水溝のある場所は避け、容器の下に敷く材料は風通しの良いものを選び、水を逃がせるようにしましょう。
④気温の管理
冬場は霜や寒さに注意しなければなりません。
室外があまりにも寒い場合は、室内で管理することが必要です。
逆に夏場は直射日光や高温によって野菜が枯れてしまうことがあるため、散水するなど、適切な温度管理を心がけましょう。
水やりと肥料のやり方
容器栽培において、水やりと肥料の管理は非常に重要です。
適切に管理を行わないと、野菜がうまく成長しないだけでなく、害虫や病気を引き起こします。
それぞれ解説します。
①水やりの方法
容器栽培では、土壌からの水の蒸発が激しいため、こまめな水やりが必要です。
特に夏場は、毎日こまめに水やりを行う必要があります。
水やりのポイントは以下です。
- 最低、朝晩の2回水やりをする
- 土が乾いてから水やりを行うのではなく、常に土が湿っている程度に保つ
- 直射日光が当たっている時間帯を避ける
- 水をかけすぎない(容器から水が流れ出ない程度にする)
②肥料のやり方
容器栽培では、土から養分が流れ出てしまう傾向があるため、適切に肥料を与えることが重要です。
肥料を散布する際のポイントは以下です。
- 育てる野菜に合った肥料を調べて与える
- 肥料の適切な量を与える(肥料のパッケージで指定された量を守る)
- 肥料を与える際は一緒に水やりをする
- 植え付けの時と野菜が成長しやすい春や夏を中心に肥料を与える
容器栽培におすすめの野菜
容器栽培の代表的な野菜としては、プチトマト、ナス、きゅうりが挙げられます。
自宅のベランダや庭でも手軽に収穫できるため、初心者にもおすすめです。
プチトマト
容器栽培で最も人気がある野菜の1つが、プチトマトです。
プチトマトは、成長が早く、比較的手入れも簡単なため、初心者でも手軽に育てることができます。
プチトマトを育てる際のポイントは以下です。
- 鉢の大きさは直径20cm以上のものを使用する
- 日当たりのよい場所に置く
- 肥料は1週間に1回与える
- 水やりは土の表面が乾いたらこまめに行う
プチトマトは収穫までに約2ヶ月程度かかります。
収穫までの過程も楽しみながら、じっくり育てましょう。
ナス
ナスも容器栽培に適した野菜の1つです。
ナスは、夏の暑い時期に実る野菜で、水やりに注意が必要ですが、適切な管理をすることで容器栽培でも比較的簡単に収穫することができます。
ナスを育てる際のポイントは以下です。
- 水をやり過ぎると根腐れすることがあるため、水やりの量に気をつける
- 室内で育てる場合は、エアコンの風が直接あたらない場所を選ぶ
- 実が大きくなりすぎると味や食感が変わってしまうので、定期的に収穫する
ナスは種から育てると時間がかかるため、苗の植え付けから始めるのが一般的です。
苗を植え付けてから収穫できるようになるまでに、約60日から80日ほどかかります。
きゅうり
きゅうりも育てるのが簡単で、容器栽培で人気のある野菜です。
きゅうりを育てる際のポイントは以下です。
- 深さが30cm以上の広い容器を選ぶ
- 排水のよい土壌を選ぶ
- 栄養素をたくさん消費するので、定期的に肥料を与える
- ツル性の植物のため、成長をサポートするために支柱を立てる
上記を守れば比較的簡単に育てられ、40日程度で収穫できます。
その他のおすすめの野菜
これまで紹介したプチトマト、ナス、きゅうり以外のおすすめの野菜は以下です。
- レタス
葉物野菜で初心者にも扱いやすく、室内でも育てやすい - ピーマン
ビタミンCが豊富で、植え付け後わずか1ヶ月で収穫ができる - パセリ
栄養価が高く、料理にも使いやすい - バジル
パセリと同様、料理での使い勝手が良い
収穫後にどのような料理に使いたいかもイメージしながら、育てる野菜を選ぶと良いでしょう。
容器栽培の注意点
容器栽培は畑での本格的な農業と比べると、簡単で初心者向けです。
とはいえ、美味しい野菜を育てるにはいくつか注意点があります。
特に重要なポイントを3つご紹介します。
容器選び
野菜がすくすく育つ上で重要な役割を果たすのが容器選びです。
適切な容器で育てることで、野菜は健康に成長し、美味しい実をつけます。
容器選びの主なポイントは以下です。
①サイズの選び方
容器のサイズは、育てる野菜の種類や品種によって異なります。
一般的に大きく育つ野菜は、深い容器が必要になります。
キャベツ、玉ねぎ、ナスなどを育てる際は大きめの容器を選ぶようにしましょう。
②素材の選び方
容器の素材にもそれぞれメリット・デメリットがあります。
- プラスチック製:軽くて持ち運びが楽である一方、太陽光等による劣化が早い
- 陶器製:丈夫で長持ちするが、重くて取り扱いにくい
持ち運びの頻度等も考慮して、自分にとって使いやすい素材を選びましょう。
③排水の確保
容器には、排水穴を開けておくことで余分な水分を排出し、底に水が貯まることを防ぐことができます。
排水が不十分な容器を使うと、根腐れや病害虫の原因となります。
排水穴は必ず開け、排水を確保しましょう。
水のやり過ぎ・肥料過多
水やりや肥料の頻度や量は、容器栽培で成功するために非常に重要です。
水をやりすぎると根腐れや病気の原因となり、肥料を過剰に与えると逆に野菜が育たなくなってしまうこともあります。
水やりは、土が乾いていると感じたら水をやるようにしましょう。
また、肥料も少量ずつ、適期適量で与えるのが理想です。
野菜によって必要な肥料の種類や量が異なるため、それぞれに合ったタイミングで与えるように注意してください。
容器栽培には、堆肥やミネラル系の肥料など、様々な肥料が市販されています。自分が育てている野菜に合ったものを選び、指示通りに使用することが重要です。
害虫・病気対策
野菜を守るために害虫や病気の対策が必要です。
具体的な方法をいくつか紹介します。
害虫対策
- ネットの使用
ネットをかけることで、昆虫や鳥から野菜を守ることができます。特に、葉物野菜などに有効です。 - 害虫駆除剤の使用
害虫駆除剤を使用することで、害虫の被害を防ぐことができます。ただし、使用する頻度や量などに注意して使用しましょう。
病気対策
- 風通しの確保
湿度は病気の原因となることが多いため、必ず風通しの良い場所で育てるようにしましょう。 - 葉を切り落とす
病気が確認された部分を切り落とすことで、病気の進行を防止できます。
野菜を健康に育てるためにも、十分な対策を行うようにしましょう。
さらに手軽な水耕栽培キット
最近では、容器栽培よりもさらに手軽な「水耕栽培キット」が流行っているのはご存知でしょうか。
「虫とかを気にせず、簡単に野菜を育ててみたいなぁ…」
そんな人にぴったりなのが、水耕栽培キットです。
水耕栽培キットでは、土を使わずに室内で、水だけで野菜を育てることができます。
そのため、以下のようなメリットがあります。
- 季節や天候に左右されない
- 屋内の狭いスペースでも育てられる
- 害虫が付きづらい
初心者が始めるにうってつけの栽培方法です。
また水耕栽培キットの中で、圧倒的No.1の人気を誇っているのがiDoo Japanのキットです。
過去にめざましテレビでも紹介されたことがある話題の商品です。
少し値段は高めですが、何度も繰り返し使えること、また新たな趣味への投資と考えれば妥当かなと。
この機会にぜひチャレンジしてみてください。
容器栽培に関するよくある質問と回答
容器栽培に関するよくある質問に回答します。
容器栽培とコンテナ栽培の違いは?
容器栽培とコンテナ栽培は同じ意味で使われます。
コンテナは土を入れて植物を育てる容器全般の総称を指します。その中でも比較的サイズが大きいものをプランターと呼び、複数種の植物を一緒に植えたり、大きく育つ植物に向いています。小さめの容器は鉢(ポット)と呼ばれ、特定の1種類の植物を育てるのに用いられます。
容器栽培で最低限必要な道具は?
以下の道具を揃えておけば容器栽培は始められます。
・鉢や容器
・肥料
・スコップ
・水やり用のジョウロ・スプレー
容器栽培でうまく育つ割合は?
うまく育つ割合は、育てる野菜によっても全く異なるため一概には言えません。
しかし、適切な環境を整え、育てやすい野菜を選び、水やりと肥料のやり方を守れば初心者の方でも高い確率で収穫することができます。
まとめ:容器栽培はデメリットよりもメリットが多い
本記事では、容器栽培のメリット・デメリットや、おすすめの野菜、育てる上での注意点などについて解説しました。
容器栽培は手軽に始めることができるため、初心者にもオススメです。
本記事で紹介したポイントを押さえつつ、ぜひ好きな野菜を育ててみましょう。
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