近年ヒートポンプ式のドラム式洗濯機が注目されています。
省エネ性や衣類に優しい点など魅力がたくさんありますが、一方で初期費用や乾燥時間などデメリットも存在します。
本記事で、ヒートポンプ式のドラム式洗濯機の特徴から、使う際のメリット・デメリット、選び方などについて詳しく解説します。
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ヒートポンプ式のドラム式洗濯機とは
ヒートポンプ式のドラム式洗濯機とは、そもそもどのようなものなのでしょうか。
ヒートポンプ式乾燥とヒーター式乾燥の違い
ヒートポンプ式乾燥とヒーター式乾燥は、衣類を乾燥させる仕組みが異なります。
- ヒートポンプ式乾燥
ヒートポンプ(熱交換器)を使い、温風の発生と空気を冷却・結露させて除湿することを繰り返して衣類を乾燥します - ヒーター式乾燥
電気でヒーターを加熱することで熱風を出し、洗濯物に吹き当てることで乾燥します
ヒートポンプ式のドラム式洗濯機では、ヒートポンプの熱交換によって空気や水の中にある熱をくみあげて移動させます。
電気だけでなく、空気や水の熱も利用するため、エネルギー消費が少なく省エネ効果が高いのです。
一方、ヒーター式の乾燥は消費電力が高くなりがちで、ランニングコストが高くなります。
ヒーター式の方がよく乾くと言う人もいますが、実際にはヒートポンプ式でも適切な設定によって、ヒーター式と変わりない乾燥が行えます。
本記事で解説する通り、それぞれメリット・デメリットがあります。
使用環境に合わせて最適なタイプを選びましょう。
ヒートポンプ式の人気が上昇
近年ヒートポンプ式のドラム式洗濯機が注目されており、売り上げも年々上がっています。
理由としては、省エネ性や衣類への優しさなどの面で優れている点が認知され始めたことがあげられます。
特に東日本大震災以降の省エネに対する意識の高まりも影響していると言えるでしょう。
ヒートポンプ式のドラム式洗濯機は市場が拡大しており、今後も需要が高まることが予想されます。
ヒートポンプ式のドラム式洗濯機のメリット
ヒートポンプ式のドラム式洗濯機の主なメリットは以下です。
- 省エネでランニングコストが低い
- 衣類に優しい
- 室内が暑くなりにくい
省エネでランニングコストが低い
省エネでランニングコストが低いというは、大きなメリットの1つです。
これは、ヒートポンプ式の乾燥にかかる消費電力が、ヒーター式に比べて大幅に少ないことが要因です。
例えば、一般的なヒーター式のドラム式洗濯機であれば乾燥に約2000Wの消費電力が必要ですが、ヒートポンプ式だとその半分程度、約1000W程度で済みます。
電気代を大幅に節約できるため、ランニングコストが安くつくのです。
ヒートポンプ式は初期費用が高いと感じる人もいるかもしれません。
ただランニングコストの低さを考慮すれば、長期的にみてかなり経済的です。
また、省エネ基準に合致した製品はエコポイントなども受け取れることから、ポイントによって初期投資をおさえることもできます。
衣類に優しい
ヒートポンプ式のドラム式洗濯機は、衣類に優しいのが特徴です。
ヒーター式の乾燥機は温度が高くなるため、衣類の色あせや縮みが生じやすい傾向があります。
一方でヒートポンプ式の乾燥機は、60℃前後の低温で乾燥し、除湿機能で湿度をコントロールするため、繊維にダメージを与えにくい特徴があります。
そのため、衣類が傷みにくく、繊細な素材やデザインの洋服も安心して洗濯できます。
高温での乾燥の方が効率が良いと思う人もいるかもしれませんが、ヒートポンプ式でも十分に乾燥ができます。
衣類に優しい乾燥方法を好む人には、ヒートポンプ式のドラム式洗濯機がおすすめです。
室内が暑くなりにくい
ヒートポンプ式のドラム式洗濯機は、室内が暑くなりにくいという特徴があります。
ヒーター式の場合、ヒーターで加熱した熱風で衣類の水分を蒸発させ乾燥するため、洗濯槽内だけでなく室内も高温になる傾向があります。
一方、ヒートポンプ式はより低い温度で乾燥が行えるため、同じような乾燥効果がありながら、室温の上昇を抑えられます。
特に夏場や狭い室内で乾燥機を使用する場合は、乾燥による蒸し暑さを感じることが少なく、快適に使えます。
ヒートポンプ式のドラム式洗濯機のデメリット
ヒートポンプ式のドラム式洗濯機の主なデメリットは以下です。
- 初期費用が高い
- 乾燥時間が長い
- ヒーター式より除菌効果が低い
初期費用が高い
ヒートポンプ式のドラム式洗濯機のデメリットとして、初期費用の高さが挙げられます。
ヒートポンプ式の洗濯機は、ヒーター式と比べて高額になることが多いです。
ヒートポンプの構造に高い技術が必要であること、またそれぞれの部品やパーツが高価であることが価格に影響しています。
そのため、ヒートポンプ式のドラム式洗濯機は、ヒーター式のものより3万円~5万円以上高いことが多いです。
高額ではありますが、省エネ性能に優れているため、ランニングコストが低くなることを考慮すると長期的なコストパフォーマンスは高くなります。
特に乾燥機能を頻繁に使う場合は、長期的に見るとコストパフォーマンスがよく、ヒートポンプ式がおすすめです。
乾燥時間が長い
ヒートポンプ式のドラム式洗濯機のデメリットの1つに、乾燥時間が長いという点があります。
ヒートポンプ式は低温で水分を蒸発させるため、同じ量の洗濯物でも、乾燥するのにより時間がかかります。
製品や洗濯物の量によって変わりますが、ヒーター式の乾燥機は約30分~1時間程度で洗濯物が乾くのに対し、ヒートポンプ式では1時間30分~2時間程度かかることが一般的です。
ヒーター式より除菌効果が低い
ヒートポンプ式のドラム式洗濯機は、ヒーター式と比べて除菌効果が低いとされています。
ヒーター式は高温の熱を使用するため、除菌効果が高いです。
一方、ヒートポンプ式は温度が低いため、菌を完全に死滅させることは難しいとされています。
ただし、洗濯に使用する洗剤や柔軟剤自体にも除菌効果があるため、ヒートポンプ式でも十分衛生的な洗濯は可能です。
ヒートポンプ式のドラム式洗濯機の選び方
ヒートポンプ式のドラム式洗濯機を選ぶ際には、価格と性能のバランスやメーカー別製品の比較、使用環境にあった選択が重要です。
選ぶ際のべきポイントを詳しく解説します。
コスパの良さ
ヒートポンプ式のドラム式洗濯機を選ぶ際は、価格と性能のバランスを考えましょう。
ヒートポンプ式のドラム式洗濯機は、初期費用が高いもののランニングコストが低いため、使用頻度や予算に応じた適切な製品を選ぶ必要があります。
また、製品によって乾燥の効率や衣類へのダメージなども変わってくるため、自分に合った製品を選ぶことが重要です。
安い製品で十分だと考える人もいるかもしれませんが、ランニングコスト等を踏まえると、少し高めのグレードの製品を選んだ方が得な場合も多いのです。
機能・性能の違い
ヒートポンプ式のドラム式洗濯機を選ぶ際には、以下のポイントで比較を行いましょう。
- 価格:予算に合っているかどうか
- 乾燥能力:衣類の乾燥時間は十分か
- 洗浄能力:洗濯物の汚れの落ち具合や服へのダメージは許容範囲か
- 省エネ性:電気代がどの程度節約できるか
- サイズ:設置場所に合ったサイズか
- 機能:自分に合った洗濯モードが搭載されているか
メーカーごとの製品を比較し、自分のニーズに合った製品を選びましょう。
使用環境とのマッチ度
自分の使用環境に合った製品を選ぶことは重要です。
例えば、小さなお子さんがたくさんいる家庭では、速い乾燥が求められることが多いため、乾燥時間の長さがポイントになります。
また一人暮らしや少人数の世帯では、洗濯物の量が少ないため、ヒートポンプ式のメリットである省エネ効果があまり得られない場合もあります。。
ヒートポンプ式のドラム式洗濯機を選ぶ際には、自分の使用環境とマッチした製品を選ぶようにしましょう。
人気の定番ヒートポンプ式洗濯機
ヒートポンプ式の中でもコスパに優れたおすすめの製品が日立の洗濯機です。
Amazonでも上位の人気を誇っており、口コミや評判も良い本製品。
ヒートポンプ式洗濯機の中では、かなり安い部類に入ります。
高級グレードのものと比べると、やや音が大きめなのがマイナスですが、20万円台の製品と近い性能と評判の製品です。
気になっている方は、販売が終わってしまう前に早めに購入しましょう。
よくある質問と回答
ヒートポンプ式のドラム式洗濯機に関するよくある質問にお答えします。
ヒートポンプ式の乾燥は臭い?乾かない?
利用方法を守って正しく使えば、乾かないといった問題はほとんど起こりません。
ヒートポンプ式の乾燥機を使用する際には、洗濯物の種類や量に応じて適切な設定を選ぶことが重要です。
乾燥機を使用する前に、脱水やすすぎの工程を十分に行うことも、乾燥効率を向上させます。
ヒートポンプ式はどのような人に向いてる?
特に電気代を抑えたい人や、繊細な衣類を優しく乾燥させたい人に向いています。
ヒートポンプ式のドラム式洗濯機は、省エネ性が高いためランニングコストが低いことが大きな魅力です。また、低温で乾燥するため衣類へのダメージも少なくなります。
まとめ:ヒートポンプ式のドラム式洗濯機のデメリットは解決可能
本記事では、ヒートポンプ式のドラム式洗濯機の特徴から、メリット・デメリット、選び方などについて解説しました。
環境に優しいこともあり、今後はより一層ヒートポンプ式が一般化することが考えられます。
経済的なメリットも大きいので、ぜひ一度購入を検討してみましょう。
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